将棋界歴代永世棋聖

どうもstsです。

本日のテーマは「将棋」です。

先日、藤井聡太棋聖佐々木大地七段による第94期棋聖戦第4局が行われ、藤井棋聖が勝利。防衛を果たし4連覇達成となりました。これにより来期は通算5期目を懸けた防衛戦となり、永世棋聖資格獲得向けての戦いとなります。

永世棋聖とは棋聖のタイトルを通算5期以上獲得すると、引退後に名乗れる称号。引退後は普通「〇〇九段」のように段位で名乗るのが一般的ですが、このような永世称号があると、それだけでいかに凄い棋士だったかが、後世の人たちに一目でわかる大変名誉ある称号です。

ということで今回は将棋界における永世棋聖をまとめてみました。そしてさらにあと1期に迫った棋士、迫っている棋士もまとめてみました。

それではさっそくどうぞ!

 

 

【永世棋聖

大山康晴永世棋聖【十五世名人・永世十段永世王位永世王将】16期獲得

史上初の永世棋聖獲得者は「将棋界の巨人」大山康晴先生でした。大山先生は振り飛車を駆使し、一時代を築きあげました。

大山先生は当時あった4つのタイトルを独占していた時に棋聖戦が創設されます。すると第1期棋聖の座に就き、五冠独占と全冠独占を継続すると、以後7連覇。また50代に入ってからも7連覇(!)を果たし通算で16期獲得しました。

大山先生は1992年現役のまま69歳で亡くなります。引退はしていていなかったため、永世棋聖は没後に贈られました。

 

中原誠永世棋聖【十六世名人・永世十段永世王位名誉王座】 16期獲得

2人目は「自然流」の棋風で数多くの棋士の手本となった中原誠十六世名人です。中原先生は長らく続いた大山先生の時代を打ち破り、中原先生の時代を築きました。

中原先生は1968年度前期の棋聖戦で初タイトル獲得。前年度後期の棋聖戦で敗れたリベンジを果たし、20歳でタイトル獲得。当時の最年少記録を達成しました。中原先生はその後も幾度となく棋聖を獲得し通算16期獲得。永世棋聖二人目の資格者となりました。

中原先生は2008年、還暦を迎えたタイミングで他の永世称号と合わせて特例のまま現役で就位。翌2009年に自身の体調面もあり引退となりました。

 

米長邦雄永世棋聖 7期獲得

3人目は「泥沼流」や「さわやか流」といった棋風でファンから親しまれた米長邦雄永世棋聖。中原先生とは若手時代からのライバル関係として知られました。

米長先生は1973年度前期の棋聖戦にて初タイトルの棋聖を獲得。後期の棋聖戦では奪われますが、1980年度前期の棋聖戦で復位。以後5連覇を果たし、永世棋聖の資格者となりました。

米長先生はA級から降級後、フリークラスへ転出。その転出した年度から特例で現役のまま永世棋聖に就位。2003年に引退。2013年に69歳で亡くなりました。

 

羽生善治九段【永世棋聖永世竜王・十九世名人・永世王位名誉王座永世王将資格者】 16期獲得

4人目は現日本将棋連盟会長、羽生善治九段。中原時代後の平成将棋界の中心として引っ張り、様々な歴代1位の記録を保持する「将棋界のスーパースター」です。

羽生先生は1993年度前期の棋聖戦棋聖を奪取すると5連覇を達成。永世棋聖の資格を得た年度で史上初の七冠独占を果たしました。羽生先生は以降も棋聖のタイトルを幾度となく獲得。30代~40代に掛けては10連覇を達成。通算で16期獲得しました。

羽生先生は現在現役。名誉王座を除く永世称号は原則引退後となっているため、永世棋聖の称号は引退後に就位予定となっています。

 

佐藤康光九段【永世棋聖資格者】 6期獲得

日本将棋連盟会長。「緻密流」と呼ばれる深い読みファンを魅了する佐藤康光九段。若手時代から羽生先生とは研究会などでしのぎを削りました。

佐藤先生は2002年、王将を保持していた時に棋聖も奪取。その後は同性代の羽生先生や森内俊之先生、下の世代である渡辺明先生などの挑戦を跳ねのけ6連覇を果たし、永世棋聖の資格者となりました。

佐藤先生も現在現役。羽生先生と同じく永世棋聖の就位は原則引退後となっているため、引退後に就位予定です。

 

 

【あと1期に迫った、迫っている棋士

二上達也九段 4期獲得

まずは「北海の美剣士」二上達也九段。若手時代から注目の若手として大山先生と数多くタイトル戦で対戦し、また羽生先生の師匠としても有名です。

二上先生は1966年度前期の棋聖戦で初タイトル獲得。1980年度の後期の棋聖戦では48歳ながら米長先生を破り棋聖に復位。以後中原先生、加藤一二三先生を破り、永世棋聖まであと1期と迫りますが、翌年防衛に失敗。惜しくもあと1期獲得できませんでした。

二上先生は1990年に引退。引退後は長きに渡り日本将棋連盟会長を務め将棋界の普及・発展に貢献。2016年に84歳で亡くなりました。

 

谷川浩司十七世名人 4期獲得

2人目は「光速の寄せ」でファンを魅了する谷川浩司十七世名人。世代的には中原先生と羽生先生の中間にあたり、両先生とは幾多の名勝負を繰り広げました。

谷川先生は史上二人目の中学生棋士としてプロ入り。1991年度の後期の棋聖戦では自身初の棋聖を獲得。以後3連覇を獲得し、1999年には4期目の棋聖獲得となりました。翌年永世棋聖を懸けた防衛戦は羽生先生にフルセットの末惜しくも敗れました。

谷川浩司先生は現在現役。過去五番勝負への出場経験があるため二次予選からの永久シードは保持しています。あと1期獲得できるでしょうか。

 

 

藤井聡太棋聖(竜王・名人・王位・叡王棋王・王将) 4期獲得

3人目は「令和の天才」藤井聡太棋聖。史上最年少プロ棋士としてデビュー。令和に入った将棋界で活躍を続ける現在の将棋界の中心人物。

藤井先生は2020年、史上最年少タイトル挑戦記録を更新すると、そのまま棋聖を奪取。史上最年少タイトルホルダーとなります。そして今期も防衛を果たし、4連覇を達成。永世棋聖獲得まであと一つとしました。

藤井先生は来年が永世棋聖資格獲得に向けての防衛戦。もし永世棋聖獲得となれば名原先生の記録を抜き史上最年少の永世称号獲得者となります。

 

 

以上のようになっています。

棋聖戦といえば産経新聞主催で、タイトル戦史上初の五番勝負一日制というスピーディーさが売りのタイトル戦でした。また長らく1年間で前期と後期に2回かけて行われ、永世称号も最速2年半で獲得できるという、とにかく速さが代表的なタイトル戦でした。

現在は棋聖戦以外にも一日制のタイトルは増え、他のタイトルと同じように年1回の開催となりましたが、現在まで94期行われており、史上最多期数行われた偉大なタイトルです。

さて来期の棋聖戦藤井聡太棋聖の防衛となり、史上最年少の永世称号獲得者となるのか、はたまた来期の挑戦者がついに藤井棋聖の牙城を崩すのか。要注目です!