どうもstsです。
今回のテーマは将棋です。
先日藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖)が渡辺明王将(名人・棋王)への挑戦権を決める王将リーグで勝利をあげ、王将戦の挑戦権を獲得しました。昨年の初タイトル獲得から勢いは増し、四冠まで到達し、次はいよいよ五冠への挑戦ととなります。
ということで今回は将棋界における歴代の五冠達成者をまとめてみました。
※過去にまとめた二冠、三冠、四冠達成者の記事はこちら。良ければ併せてご一読下さい。
それではさっそくどうぞ!
①大山康晴十五世名人【永世十段・永世王位・永世王将・永世棋聖】
史上初の五冠達成者は、大山康晴十五世名人です。1961年大山先生は当時4つしかなかったタイトルを全て独占していました。そして翌年新たに棋聖戦が5つ目のタイトル戦に追加されると初代棋聖に輝き、史上初の五冠王、そして全冠独占をさらに続けます。
その後王将や棋聖を二上達也九段に奪われることがあったものの、翌年すぐさま挑戦者としてリターンマッチに登場すると、取り返して五冠独占、全冠独占を幾度なく果たします。さらに47歳の時にも五冠に復帰し全冠独占するなど、大山先生は今なお歴代最強棋士の一人として挙げられるまさに「昭和の大巨人」です。
大山先生は終盤での受けを得意とする振り飛車党。角道を止める振り飛車に対して急戦で攻め挑んでくる居飛車党の棋士を卓越した終盤の技術で幾度なく逆転劇も演じてきました。
【五冠達成回数とその期間】
①1963年2月~3月(名人・十段・棋聖・王位・王将)※全冠制覇
②1964年2月~1966年7月(名人・十段・棋聖・王位・王将)※全冠制覇
③1967年1月~1967年7月(名人・十段・棋聖・王位・王将)※全冠制覇
④1970年7月~12月(名人・十段・棋聖・王位・王将)※全冠制覇
【主な記録】
タイトル通算獲得数→80期(歴代2位)
一般棋戦優勝回数→44回(歴代2位)
通算成績→1433勝(歴代2位)781敗 0.647
②中原誠十六世名人【永世十段・永世王位・名誉王座・永世棋聖】
二人目の五冠達成者は中原誠十六世名人です。1978年当時四冠を手中に収めていた中原先生は棋聖戦で大山康晴棋聖(当時)に挑戦。結果は見事奪取。大山先生以来二人目の五冠達成者となりました。当時のタイトルは6つであり、これで全冠制覇まであと1つと迫り、同年度の最後のタイトル棋王戦にも挑戦者として登場しますが、そこは惜しくも敗退。夢の六冠独占とはなりませんでした。
中原先生はタイトルが5つの時代にも四冠まで到達しており、五大タイトル・六大タイトル時代の全冠制覇まであと一歩迫りましたが、全冠制覇は果たせませんでした。
中原先生は王道を往く居飛車党。相居飛車では矢倉と相掛かり、対振り飛車では天守閣美濃や玉頭位取りを得意としていました。また自然な手を積み重ねて着実に勝利を掴む指し回しは「自然流」と呼ばれ、多くのファンを魅了しました。
【五冠達成とその期間】
①1978年2月~1979年2月(名人・十段・棋聖・王位・王将)
【主な成績】
タイトル通算獲得数→64期(歴代3位)
一般棋戦優勝回数→28回(歴代3位)
通算成績→1308勝(歴代5位)782敗 0.626
③羽生善治九段【永世竜王・十九世名人・永世王位・名誉王座・永世棋王・永世王将・永世棋聖資格者】
現在最後の五冠達成者は羽生善治九段です。1993年四冠を保持していた羽生先生は郷田真隆王位(当時)に挑戦。見事ストレートで奪取して史上最年少の23歳で五冠王となります。同年竜王を奪われますが、翌年度名人を奪取し二度目の五冠。その後もタイトルを増やし1996年には夢の七冠独占を果たし「羽生フィーバー」を巻き起こしました。
七冠独占後はタイトルを奪われますが、2000年に棋聖を奪取して五冠に復帰。当時竜王戦の挑戦者にもなっていたため二度目の七冠か?と噂されますが、藤井猛竜王(当時)に阻まれ奪取ならず。翌年も五冠復帰を果たし、それが現在最後の五冠となっています。
羽生善治九段は、居飛車・振り飛車、急戦・持久戦問わず、何でも指しこなし、その全てで高い勝率を残すというオールラウンドプレーヤー。序盤・中盤・終盤隙がなく数々の記録を残し、塗り替え続ける将棋界の生けるレジェンドです。
【五冠以上達成とその期間】
①1993年8月~1993年12月(竜王・棋聖・王位・王座・棋王)
②1994年6月~1997年6月(この期間で七冠独占(※全冠制覇)達成)
③2000年7月~2001年8月(棋聖・王位・王座・棋王・王将)
④2001年11月~2002年3月(竜王・王位・王座・棋王・王将)
【主な成績】
タイトル通算獲得数→99期(歴代1位)
一般棋戦優勝回数→45回(歴代1位)
通算成績→1491勝(歴代1位)643敗 0.699
以上のようになっています。
五冠を達成した棋士はタイトル通算獲得数歴代上位3人の棋士でした。
タイトル通算獲得数
1位羽生善治 99期
2位大山康晴 80期
3位中原 誠 64期
4位渡辺 明 29期
5位谷川浩司 27期
また永世称号保持数でも上位の3人でもありました。
永世称号保持数
1位羽生善治 7つ
2位大山康晴 5つ
3位中原 誠 5つ
4位渡辺 明 2つ
以上のようにこの3人は歴代の中でも別格の記録を保持しています。この3人はタイトルの過半数以上を占める状態を長きわたって作った、いわゆる一時代を築いた棋士でもあり、将棋界の枠を超えて有名な大棋士です。
もし藤井竜王が五冠を達成し、タイトル過半数を占める期間を長く作ればこの時代を作ってきた3人の時代を継ぐ存在となります。今回挑戦を受ける側の渡辺王将も過去に奥様の著書『将棋の渡辺くん』の中で「将棋界には大山・中原・羽生っていう大名人の系譜があって 藤井くんもおそらくそれ」と述べています。
藤井竜王が奪取して史上4人目となる五冠達成者となり大名人の系譜を継ぐ足がかりを作っていくのか、はたまた渡辺王将が意地を見せて防衛を果たして藤井竜王の壁として立ちはだかるのか、非常に注目です!
ではまた!