羽生善治先生の七冠が再び噂された日②

どうもstsです。

本日は、前回の続き、羽生先生の七冠独占なるか?と再び噂された時のことについて振り返っていきます。2つ目は2004年度です。

それではさっそくどうぞ!

 

2004年度に入った時点での当時のタイトルホルダーはこちら。

羽生善治名人(王座)

森内俊之竜王(王将)

谷川浩司二冠(王位・棋王)

佐藤康光棋聖

この前年度の竜王戦王将戦で羽生先生から森内先生が連続でタイトルを奪取。谷川先生は棋王を奪取し、40代ながら二冠に復帰し健在ぶりをアピールしました。

しかしこの当時のタイトルホルダーの最強感が凄いです。後に全員が永世称号獲得者となります。

 

まずは春の名人戦、史上初のA級順位戦9戦全勝を果たし挑戦権を獲得していた森内先生は、勢いそのままに名人を奪取。昨年度の竜王戦から立て続けにタイトルを3つ奪取し、一気に棋界の頂点に上り詰めます。一方の羽生先生はこれで一冠。不調説が大きく言われました。

一方の森内先生は名人戦の途中で、棋聖戦の挑戦権も獲得。四冠へと歩みだしますが、その棋聖戦は佐藤先生に阻まれ、四冠とはなりませんでした。

森内俊之竜王名人(王将)

谷川浩司二冠(王位・棋王)

佐藤康光棋聖

羽生善治王座

 

しかしこれで終わらず、ここから一気に復活するのが羽生先生。王位戦で挑戦権を獲得すると、谷川先生から王位を奪取し、二冠に復帰。続く王座戦では森内先生の挑戦受けます。王位戦との日程次第で先に王座を奪われれば無冠の危機でしたが、こちらは盤石の防衛。王座戦13連覇を果たします。

そして続く秋の竜王戦では、昨年度の王座戦に続き、二度目のタイトル挑戦権を得た渡辺明六段(当時)が登場。フルセットの末、三冠を保持する森内先生からの奪取は大きな衝撃を与え、また20歳でのタイトル獲得は当時歴代3位の年少記録でした。

森内俊之名人(王将)

渡辺明竜王

羽生善治二冠(王位・王座)

佐藤康光棋聖

谷川浩司棋王

しかしこう見るとさらに凄いタイトルホルーダーの並びです。20代の渡辺先生、30代の森内先生、羽生先生、佐藤先生、40代の谷川先生と各世代のトップが並び立ち、五人全員が後の永世称号者という凄い瞬間となりました。

 

その後、羽生先生の勢いは止まらず、棋王戦、王将戦とどちらも挑戦権を獲得。しかもなんと両方ともストレートで奪取するという圧倒的な強さでした。一冠だったにもかかわらず、すぐさま四冠に復帰。一方の森内先生は名人の一冠、谷川先生は無冠となってしまいました。

森内俊之名人

渡辺明竜王

羽生善治四冠(王位・王座・棋王・王将)

佐藤康光棋聖

 

さらにさらにこれでとどまらず、勢いは増す羽生先生、A級順位戦でも後半から一気に連勝し、名人戦の挑戦権を獲得。もしこの名人を奪取すれば五冠。「再び七冠への歩みを始めたか」とこの時にささやかれました。四冠の時点で七冠独占は時期尚早のように感じるかもしれんませんが、この圧倒的な勝ちっぷりなら納得できます。

 

年度が変わり2005年度となり、春の名人戦。羽生先生は奪取すれば五冠、一方の森内先生は逆に奪われると無冠になるという1年前と逆転したような構図でした。名人戦が一進一退の攻防を繰り広げる中、羽生先生は棋聖戦の挑戦権も獲得。いよいよ六冠まで視野に入れます。

※当時の名人戦第1局の観戦記が載っている将棋世界

 

しかし結果は名人戦棋聖戦もフルセットの末、タイトル奪取とはなりませんでした。ちなみに防衛を果たした森内先生、佐藤先生はそのまま連覇を続け、永世称号資格者となりました。

 

以上が2つ目の七冠が囁かれた瞬間でした。

前回の2000年~2001年の時は四冠~五冠を保持していましたが、今回は一冠になってから、一気に四冠に復帰し、六冠すら見えてくるという大スパートがかかっていた瞬間でした。

ちなみにこの2004年度の成績は

78局 60勝18敗 0.769 最大連勝11連勝

年度78局は歴代8位タイ、60勝は歴代7位タイの記録となっています。

※2004年度(平成17年度)の将棋年鑑。表紙は新竜王となった渡辺明竜王(当時)。

 

ではまた!