どうもstsです。
本日行われた第61期王位戦にて、藤井聡太棋聖が木村一基王位に勝利し、王位奪取となりました。
藤井先生はこれで二冠となり、史上最年少で二冠達成となり、新たな最年少記録を打ち立てました。一方の木村先生は無念の王位失冠。昨年は46歳で初タイトルという偉業を成し遂げましたが、今年は防衛とはなりませんでした。また不屈の闘志でタイトル戦に戻ってくることをファンは待ち望んでいます。
さて藤井二冠が史上最年少で二冠を達成したということで、今回は将棋界の歴代二冠達成者をまとめてみたいと思います。
皆様はどこまで知っていますか?
さっそくどうぞ!
①大山康晴十五世名人
二冠達成:1952年
二冠のタイトル:九段・名人
二冠達成時の年齢:29歳
最多同時保持数:五冠(全冠独占)
将棋界初の二冠達成者は「将棋界の巨人」大山康晴十五世名人でした。また当時のタイトルは名人・九段・王将の3つしかありませんでした。
大山先生は振り飛車党で終盤には卓越した受けの技術で戦いの間で自らの王様を固くするのが特徴。大山先生はその後、タイトルが3つから4つ、4つから5つに増えた時、全てで全冠独占を達成しました。
②升田幸三実力制第四代名人
二冠達成:1957年
二冠のタイトル:王将・九段
二冠達成時の年齢:39歳
最多同時保持数:三冠(全冠独占)
二人目の二冠達成者は、「新手一生」を掲げ、ファンを魅了し続けた升田幸三実力制第四代名人。この当時もまだタイトルは3つです。
升田先生は独創的な発想で数々の戦法を開発。升田二冠は、二冠達成後の名人戦でも大山名人を破りついには三冠独占。将棋界初の三冠達成者になるとともに将棋界のタイトルを総なめにしました。
③中原誠十六世名人
二冠達成:1971年
二冠のタイトル:十段・棋聖
二冠達成時の年齢:23歳
最多同時保持数:五冠
升田先生の三冠独占後、今度は大山先生の独占時代が続きます。その長らく続いた大山時代を打ち破ったのが中原誠十六世名人でした。タイトル6つの時代に中原先生はその後五冠まで到達。中原時代を築きました。
中原先生は自然流と呼ばれる王道を往く将棋を指す棋風。相居飛車では矢倉と相手掛かり、対振り飛車には玉頭位取りと左美濃を得意としていました。
④加藤一二三九段
二冠達成:1979年
二冠のタイトル:棋王・王将
二冠達成時の年齢:39歳
中原先生が三冠となってから、中原先生を中心に将棋界は回ります。そんな中、4人目の二冠達成者となったのは「神武以来の天才」加藤一二三九段でした。現在は「ひふみん」の愛称で国民的人気者です。
加藤先生は棒銀をこよなく愛する居飛車党。現役晩年は高齢になっても昔と変わらぬ闘志で戦い続け、ファンを魅了し続けました。
二冠達成:1979年
二冠のタイトル:棋王・王位
二冠達成時の年齢:36歳
最多同時保持数:四冠
5人目は上記の中原先生・加藤先生と同時代に活躍し、数々の激闘を繰り広げた米長邦雄永世棋聖。
米長永世棋聖は「泥沼流」と呼ばれる終盤術が特徴でありながら、新・鬼殺し、角頭歩戦法、米長玉、米長流急戦矢倉など現代将棋にも通じる様々な新戦法を編み出したことでも有名です。
⑥高橋道雄九段
二冠達成:1987年
二冠のタイトル:王位・王将
二冠達成者時の年齢:27歳
6人目は「地道流」の棋風で知られる高橋道雄九段。高橋先生はいわゆる55年組と呼ばれる棋士の一人でもあります。
高橋先生は先手番では矢倉、後手番では横歩取り△8五飛車戦法を得意する本格派居飛車党。またアイドルやアニメ好きとして知られ、一時期テレビ番組にも数多く出演していました。
⑦南芳一九段
二冠達成:1988年
二冠のタイトル:棋聖・王将
二冠達成時の年齢:24歳
7人目は高橋先生と同じく55年組の南芳一九段。腰の重い棋風と対局姿勢の様から「地蔵流」と呼ばれています。
20代の若手の頃は居飛車を中心に指していましたが、現在は三間飛車を中心に指しており、また冬のタイトル戦において圧倒的な強さを誇っていたことから、「冬将軍」とも呼ばれました。
⑧谷川浩司九段
二冠達成:1988年
二冠のタイトル:王位・棋王
二冠達成時の年齢:25歳
最多同時保持数:四冠
8人目は21歳という史上最年少名人の記録保持者であり、十七世名人の有資格者でもある谷川浩司九段。中原先生や後述する羽生先生とは幾多のタイトル戦で名勝負を繰り広げました。
谷川先生は終盤戦において誰も予想しないところから一気に寄せる「光速の寄せ」はあまりにも有名です。また角換わりを得意している棋士でもあります。
⑨羽生善治九段
二冠達成:1992年
二冠のタイトル:棋王・王座
二冠達成時の年齢:21歳
最多同時保持数:七冠(全冠制覇)
9人目は「将棋界のレジェンド」羽生善治九段。タイトル通算獲得数99期は歴代1位であり、夢の100期まであと1期と迫っています。
羽生九段は居飛車振り飛車何でも指しこなし、その全てで高い勝率を残すオールラウンドプレーヤー。七冠独占、永世七冠・・・数えきれない名記録を残し続ける様はまさに生ける伝説です。
⑩森内俊之九段
二冠達成:2004年
二冠のタイトル:竜王・王将
二冠達成時の年齢:33歳
最多同時保持数:三冠
羽生先生の二冠達成以降羽生先生を中心に将棋界は回り、新たな二冠達成者はなかなか誕生しませんでしたが、2004年に小学生時代からのライバル森内先生が達成します。
森内先生は「鋼鉄の受け」、「鉄板流」と呼ばれる受けの棋風でお馴染み。また近年は矢倉をこだわって指している印象があります。また現在はYou Tubeチャンネルも開設もしており、大人気となっています。
⑪佐藤康光九段
二冠達成:2007年
二冠達成時の年齢:37歳
11人目は羽生先生・森内先生と同世代であり、永世棋聖の有資格者でもある佐藤康光九段。現日本将棋連盟会長でもあります。
佐藤九段はかつては定跡に精通した本格派居飛車党で有名でしたが、200年代から棋風を大幅にチェンジ。誰も真似できない独創的な序盤戦術から丸太を振り回すようなねじり合いに持ち込むのが特徴です。
⑫久保利明九段
二冠達成:2010年
二冠のタイトル:棋王・王将
二冠達成時の年齢:34歳
12人目は「捌きのアーティスト」、「振り飛車党総裁」の愛称でお馴染みであり、「振り飛車御三家」の一角、久保利明九段です。現在本格派振り飛車党の中では最後の二冠達成者となっています。
久保九段は上記の通り、振り飛車党。中盤での誰もが憧れる華麗な捌きと終盤では簡単に土俵を割らない粘りが特徴です。
⑬渡辺明名人
二冠達成:2011年
二冠のタイトル:竜王・王座
二冠達成時の年齢:27歳
最多同時保持数:三冠
13人目は「魔王」の愛称でも知られる渡辺明名人。先日、名人戦で豊島名人を破り、史上15人目の実力制名人に就くとともに三冠へと復帰しました。
渡辺二冠はかつては固く囲った王様から今にも切れそうな細い攻めを繋げるのが特徴
でしたが、バランス重視の現代将棋が主流になってからは、そちらにシフトチェンジし、高勝率をあげています。
二冠達成:2018年
二冠達成時の年齢:28歳
14人目は昨年竜王と名人という二大タイトルを奪取し、近年目覚ましい活躍を続ける豊島竜王。
豊島先生はかつては、居飛車も振り飛車も指しこなすオールラウンダーでしたが、現在は居飛車党。またソフト研究をいち早く取り入れ、研究範囲までハイペースで指し進めるのが特徴です。
⑮永瀬拓矢二冠
二冠達成:2019年
二冠のタイトル:叡王・王座
二冠達成時の年齢:27歳
豊島先生が二冠を達成した翌年、続いては「軍曹」の愛称でお馴染み永瀬拓矢先生が
二冠を達成しました。
永瀬二冠は努力を常に行う人物で有名であり、また駒得したら惜しまず自陣に埋め、千日手も辞さずの長手数の将棋をいとわない棋風が特徴であり、「負けない将棋」ともいわれております。
⑰藤井聡太二冠
二冠達成:2020年
二冠のタイトル:棋聖・王位
二冠達成時の年齢:18歳
最後は本日、史上最年少で二冠を達成した藤井聡太二冠。史上最年少でプロ入りを果たすと、デビューから負けなしの29連勝で新記録をいきなり打ち立てます。その後も最年少記録を次々と塗り替え続ける、今や知らない人はいない棋士です。
藤井先生は角換わりを最も得意としており、詰将棋で鍛え抜かれた圧倒的な終盤力と深い読みは常にファンを魅了しています。
以上のようになっています。
どの方も名棋士ばかりですね。
ちなみに藤井二冠が記録を抜くまでの最年少記録保持者は羽生善治九段でした。
これから藤井二冠はタイトルを増やしていくのか、それとも他の棋士が壁と
なって立ちはだかるのか、これからの将棋界からますます目が離せません!
※三冠と四冠達成者の記事はこちらにあります。こちらも是非ご覧ください。