どうもstsです。
今日から新年度ですね。
さて4月といえば将棋界では名人戦がはじまる時期です。
今期の名人戦は豊島将之名人(竜王)に渡辺明三冠(棋王・王将・棋聖)が挑戦します。竜王名人VS三冠というまさに頂上決戦です。
今回の名人戦でもし渡辺三冠が奪取すると四冠に到達することになり、そこが一つの注目点となっています。
では過去将棋界で四冠を達成した棋士は何人いるのか、どういう棋士だったのかまとめてみました。
※三冠達成者のまとめはこちら
さっそくどうぞ!
①「不死鳥」大山康晴十五世名人
四冠:1960年(名人・九段・王位・王将※全冠制覇)
五冠:1963年(名人・九段・棋聖・王位・王将)
将棋界、初の四冠達成者は、大山康晴十五世名人でした。大山先生は升田幸三実力制第四代名人に次ぐ三冠独占を達成すると、翌年タイトル戦に昇格した王位戦で初代王位に輝き、そのまま四冠独占となりました。大山先生は四冠独占をそのまま続け、新設された棋聖戦でも初代棋聖となり、五冠独占となりました。
大山先生は亡くなる69歳までA級に在籍し続け、ガンで入院を余儀なくされても復帰して対局する様から「不死鳥」とも呼ばれました。
【大山十五世名人の主な記録】
・タイトル通算獲得数:80期(歴代2位)
・通算勝数:1433勝(歴代2位)
②「棋界の太陽」中原誠十六世名人
四冠:1973年(名人・十段・王位・王将)
五冠:1978年(名人・十段・棋聖・王位・王将)
大山先生に次ぐ2人目の四冠達成者は中原誠十六世名人でした。大山先生から当時史上最年少となる24歳での名人獲得をした翌年、三冠だった中原先生は、内藤國雄王位(当時)からストレートで王位を奪取し、四冠を達成。そしてその5年後には五冠を達成しました。同年、六冠独占をかけて加藤一二三棋王に挑戦しますが、こちらは敗退となり、全冠独占とはなりませんでした。
中原先生は長く続いた大山時代を打ち破っていく様から「棋界の太陽」と呼ばれ、王道を往く本格派居飛車党の指しまわしは「自然流」とも呼ばれました。
【中原十六世名人の主な記録】
・タイトル通算獲得数:64期(歴代3位)
・通算勝数:1308勝(歴代5位)
3人目の四冠達成者は米長邦雄永世棋聖。当時三冠を保持していた米長先生は、中原十段から十段を奪取。当時あった7大タイトルの過半数を占めると同時に若手時代ライバルであった中原先生を王座の一冠となりました。
米長先生は終盤、局面を複雑化して逆転していく様から「泥沼流」の棋風で知られ、また本人の見た目から「さわやか流」という棋風で呼ばれることもありました。
【米長永世棋聖の主な記録】
・タイトル通算獲得数:19期(歴代6位)
・通算勝数:1103勝(歴代7位)
四冠:1992年(竜王・王位・王座・王将)
4人目の四冠達成者は谷川浩司九段です。1991年の時点で谷川先生はは竜王と王位の二冠でしたが、年明けからの棋聖戦(当時は年度内で2回行われていた)と王将戦で冬の棋戦を得意としていた南芳一二冠から連続で奪取。一気に四冠へと駆け上がりました。
谷川先生は終盤で一気に相手の王様を寄せていく様から「光速流」の棋風で知られ、また駒が前進する手を選びやすいところから「前進流」とも呼ばれます。
【谷川九段の主な記録】
・タイトル通算獲得数:27期(歴代4位)
・通算勝数:1333勝(歴代3位)
七冠:1996年(竜王・名人・棋聖・王位・王座・棋王・王将※全冠独占)
現在最後の四冠達成者となっているのが羽生善治九段です。1993年の前年に谷川浩司竜王(当時)から竜王を奪い、三冠となりタイトル保持数でついに逆転した羽生竜王は翌年の棋聖戦でも谷川棋聖(当時)から奪取し、四冠となります。勢いは増し1996年にはついに当時あった七冠全てを独占。この時は「羽生フィーバー」とも呼ばれ、将棋界を越えて日本全体で話題となりました。
羽生先生は2017年にはついに永世七冠を達成し、将棋界初となる国民栄誉賞を受賞しました。将棋界を代表する存在であり、そしてトップ棋士として走り続ける姿はまさに「将棋界のスーパースター」そのものです。
【羽生九段の記録】
・タイトル通算獲得数:99期(歴代1位)
・通算勝数:1456勝(歴代1位)
以上のように達成しています。実は羽生九段が1993年に四冠を達成して以降、四冠になった棋士は羽生九段しかいないんですね。
それだけ羽生先生を中心に25年近くタイトル戦が動いていたともいえます。
そしてタイトル通算獲得数で見ると、1~6位の棋士が入っています。渡辺先生はタイトル通算獲得数では現在歴代5位。これで四冠を達成すれば歴代通算タイトル獲得数上位6人は全て四冠達成者ともなります。
また四冠達成者は全員通算1100勝以上を果たしています。もし渡辺三冠が四冠を達成すればこの法則から、将来1100勝以上する可能性が高いかもしれません。
さて、今期の名人戦、豊島名人が防衛して連覇を達成するのか、それとも渡辺三冠が奪取して四冠となるのか非常に注目です!
※追記(2021年12月5日)