平成将棋界、振り飛車のタイトルホルダー

どうもstsです。

 

今回のテーマは「将棋」です。

今回はその将棋の中でも振り飛車がテーマです。

昭和の時代は大山康晴十五世名人や升田幸三実力制第四代名人が振り飛車を駆使して活躍しました。しかし平成に入ると両棋士が亡くなり、また居飛車穴熊という強力な囲いと争う時代へと突入します。

ではそんな激動の平成の将棋界で振り飛車を駆使してタイトルを獲得した棋士はどのような棋士がいたのでしょうか。まとめてみました。

さっそくどうぞ!

 

 

①福崎文吾九段【王座1期獲得】(昭和の時代に十段1期獲得)

意表を突く指し回しから「妖刀」の異名を持つ福崎先生。当時名人の谷川浩司先生が福崎先生の振り飛車穴熊に敗れ「感覚が破壊された」と語ったのは有名なお話です。

福崎先生は平成3年(1991年)の王座戦で谷川王座に挑戦。当時すでに居飛車党に転向していましたが、開幕から振り飛車穴熊を武器に連勝。最終局でも振り飛車穴熊を使い千日手指し直しの末タイトル奪取となりました。指し直し局では矢倉で勝利を収め、振り穴だけでなく、居飛車党転向をした強さも示したシリーズとなりました。

福崎先生は振り飛車穴熊の中でも三間飛車穴熊を得意とする棋士穴熊に組んだ後は袖飛車に振り直して相手玉に襲い掛かる攻めを得意としています。

 

 

藤井猛九段【竜王3期獲得】

過去の自身の発言から「鰻屋」の愛称で知られ、ファンから絶大な人気を誇る藤井猛九段。またポケモンカードの大会でも優勝をした経験も持っています。

藤井先生は平成10年(1998年)の竜王戦で挑戦権を獲得。谷川竜王(当時)との竜王戦藤井システムを駆使してなんとストレートで奪取。翌年は鈴木大介先生の挑戦を全て居飛車でしりぞけると翌年は羽生五冠が挑戦者として登場。藤井システムを駆使して一進一退の攻防を繰り広げると最後はフルセットの末防衛、前人未到竜王3連覇を成し遂げました。

藤井先生は藤井システムだけでなく、角交換四間飛車も武器にしており、振り飛車界で革命的な戦法を二つ広めた棋士として有名です。

 

 

久保利明九段【棋王3期、王将4期】

藤井九段の竜王失冠後、振り飛車党の棋士がタイトルを獲得することは長らくありませんでした。そこに風穴をあけたのは、「捌きのアーティスト」久保利明九段でした。

久保先生は若手時代から高い勝率を残してタイトル戦の舞台に登場するも羽生先生に阻まれ、なかなかタイトルに届きませんでした。しかし2009年(平成21年)の棋王戦で初タイトルを奪取すると、翌年は羽生先生から王将と奪取。翌年も防衛を果たしました。久保先生は当時流行していた石田流やゴキゲン中飛車の二つをエースとして活躍しました。

久保先生は40代に入っても純粋振り飛車党唯一のA級棋士として長らく活躍、42歳のときには王将を奪取するなどの活躍をみせています。

 

 

広瀬章人八段【王位1期獲得】(居飛車転向後に竜王1期獲得)

プロ入り当初から振り飛車穴熊を得意として「振り穴王子」の愛称で知られていた広瀬章人八段。

広瀬先生は平成22年(2010年)王位リーグにて、振り飛車穴熊を武器に渡辺明竜王や羽生名人を破り深浦康市王位への挑戦権を獲得。王位戦七番勝負の舞台でも広瀬先生は振り飛車穴熊を連投。七番勝負は広瀬先生がリードを奪い、4勝2敗2千日手という激闘を制してタイトル奪取となり、最終局はこの年度の名局賞を受賞しました。

広瀬先生は振り飛車穴熊の中でも四間飛車穴熊を得意とし、早めに銀を繰り出し腰掛け銀で戦う形を得意としました。広瀬先生は王位失冠後は居飛車党に転向。平成30年(2018年)には羽生先生から竜王を奪いタイトル通算100期を阻む活躍を見せました。

 

 

菅井竜也八段

「岡山の竜」。プロ入り当初から研究家として知られ、菅井流や菅井新手と呼ばれるものをいくつも考案。その研究成果で升田幸三賞も受賞した経歴を持つ菅井八段。

菅井先生は平成29年(2017年)の王位戦リーグで挑戦権を獲得すると、独自の菅井流三間飛車(うっかり三間飛車とも)を開幕から連投させリードを奪うと「阪田流三間飛車」や2手損で居飛車に振り直すといった菅井ワールド全開の戦法でも勝利をあげ、見事タイトル奪取となりました。

菅井先生は今も振り飛車メインで戦い続けており、現在A級順位戦では唯一の純粋振り飛車党としてトップ棋士の一人として活躍しています。

 

 

 

以上のようになっています。

平成の将棋界の振り飛車は「居飛車穴熊にいかに対抗するか」というのが一つの命題であった気がします。

しかし上記5名の棋士振り飛車穴熊や石田流といった対抗策、藤井システムや菅井流といった独自の戦法で居飛車穴熊を目指す居飛車党に対抗してタイトルを獲得。プロアマ問わず多くの振り飛車党に希望を与えました。

また昭和の振り飛車は角道を止める振り飛車がほとんどで、守勢でカウンター狙いというイメージが強いですが、平成の将棋界は角交換を怖れない自ら積極的に動く攻撃的な振り飛車が多く誕生した時代でもありました。

現在でも耀龍四間飛車振り飛車ミレニアムといった新たな鉱脈が広がりつつある振り飛車。令和の振り飛車界はどうようになり、どのような棋士がタイトルを獲るのでしょうか。

これからの将棋界も要注目です。

ではまた!