NHK杯将棋トーナメント最年長優勝記録とトップ10

どうもstsです。

今回は将棋の記事です。テーマは「NHK杯将棋トーナメント」です。NHK杯は現在行われている中で最古の一般棋戦。今回で70回目の節目を迎えました。

毎週日曜日の朝に放送されており、一般的に最も目にしやすく、親しみのある棋戦といえます。

さて今回はこの長らく行われいるNHK杯での最年長優勝記録を調べて、まとめてみました。歴代トップ10をまとめており、10位からのカウントダウン形式になっております。

それではさっそくどうぞ!

 

 

 

10位有吉道夫九段 45歳7ヶ月

10位は「火の玉流」の棋風でお馴染み有吉道夫九段です。有吉先生は初の決勝進出となった第30回にて中原誠名人(当時)を破り、見事優勝を果たしました。また有吉先生は還暦を越えても長らく活躍し続け、74歳の時には最年長棋士ながら予選を突破。今なお破られていない本戦出場最年長記録を打ち立てました。

有吉先生の棋風は居飛車党。相居飛車では矢倉、対振り飛車では玉頭位取りを得意としていました。 

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9位升田幸三実力制第四代名人 46歳0か月

第9位は「新手一生」を掲げ、多くの将棋ファンを魅了し続けた升田幸三実力制第四代名人です。第13回に決勝に進出すると若手だった加藤一二三八段(当時)を破り、自身3度目となる優勝を果たしました。升田先生はNHK杯において3度の優勝、3度の準優勝を誇り、相性の良い棋戦でもありました。

升田先生は「升田式石田流」、「升田定跡」など現代にも通ずる戦法、囲い、定跡を開発。「将棋の寿命を300年縮めた男」とも呼ばれています。

升田幸三名局集

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8位木村義雄十四世名人 47歳0か月

第8位は戦前から戦後にかけて圧倒的な強さを誇り、将棋界を牽引した「常勝将軍」木村義雄十四世名人です。木村先生は記念すべき、第1回での優勝者であり、升田幸三八段(当時)を破っての優勝となりました。当時は今とは違い、ラジオでの放送であり、出場棋士も8人でのスタートでした。

木村先生は居飛車党で角換わりを得意としており、中でも角換わり腰掛け銀における「木村定跡」はあまりにも有名です。

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7位佐藤康光九段 47歳4ヶ月

7位は「緻密流」の棋風で知られる佐藤康光九段。永世棋聖の有資格者でもあります。佐藤先生は第66回の決勝にて、三間飛車を駆使して決勝まで勝ち進んできた佐藤和俊七段と対決。この対局を制し、自身3度目となる優勝を果たしました。

佐藤先生は、誰にも真似できない序盤戦術と丸太を振り回すような戦いぶりで日本将棋連盟会長という激務の中、トップ棋士の一人として活躍しています。

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6位中原誠十六世名人 47歳6ヶ月

6位は「自然流」の棋風でお馴染み中原誠十六世名人です。中原先生は第44回で米長邦雄前名人と決勝で激突。若手時代からライバル関係として戦ってきた二人の最後の大舞台の対決はNHK杯史に残る名局となり、この対局を制した中原先生が通算6度目の優勝を果たしました。これは歴代4位の記録となっています。

中原先生は王道を往く居飛車党。相居飛車では矢倉と相掛かり。対振り飛車では(天守閣)左美濃を得意としていました。

中原誠名局集

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5位深浦康市NHK杯選手権者 48歳0ヶ月

5位は「地球代表」の愛称で知られている深浦康市九段。現在のNHK杯選手権者です。昨年の第69回にて意外にも初の決勝進出。同じく初優勝を目指す稲葉陽八段を破り、見事初優勝を果たしました。また過去のNHK杯では終盤に気合いを入れ直すためか、自分自身にビンタを入れたシーンは有名です。

深浦先生は居飛車党で劣勢になっても諦めず粘り強く指す棋風が特徴。

 

 

 

4位羽生善治九段 48歳4ヶ月

4位は「将棋界のレジェンド」羽生善治九段です。将棋界唯一の名誉NHK杯選手権者(10回優勝が条件)でもあります。第68回の決勝で同世代である郷田真隆九段を破り、自身の記録を更新する通算11度目となる優勝を果たしました。このときはベスト4に残った棋士が全員羽生世代であり、「羽生世代同窓会」とも呼ばれました。

羽生先生は、居飛車振り飛車問わず何でも指しこなすオールラウンドプレーヤー。NHK杯でもその強さは圧巻で過去には4連覇を含むNHK杯24連勝という記録もあります。

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3位丸田祐三九段 50歳0ヶ月

3位は「小太刀の名手」丸田祐三九段です。丸田先生は第18回のNHK杯で山田道美八段を破り優勝。NHK杯では通算3度優勝しており、相性の良い棋戦でした。また現役生活も長らく続け、73歳で予選を突破し、本戦で勝利という最年長本戦勝利の記録保持者でもあります。

丸田先生は居飛車党。またあえて竜を作らせて捕まえるという変化を含む「丸田流ひねり飛車」はあまりにも有名です。

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2位加藤一二三九段 54歳1ヶ月

2位は「神武以来の天才」加藤一二三九段です。加藤先生は第43回の決勝で当時竜王になったばかりの佐藤康光竜王との対戦。相掛かりの将棋となり、これを制し自身7度目となる優勝を果たしました。これは歴代3位の記録となっています。加藤先生は「1分将棋の神様」とも呼ばれ早指し棋戦でも活躍されました。

加藤先生は居飛車党。相居飛車では矢倉、対振り飛車では棒銀を得意としていました。中でも棒銀はこよなく愛し、極めた棋士です。

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1位大山康晴十五世名人 61歳11ヶ月

1位は「将棋界の巨人」大山康晴十五世名人です。大山先生は第33回で決勝に進出し、加藤一二三前名人(当時)と対決。大山先生の終盤での受けが炸裂し、勝利を収めます。これが通算8回目の優勝となりました(当時歴代1位。現在は歴代2位)。還暦を越えてのNHK杯は大山先生のみであり、異次元の強さを感じる記録です。

大山先生は振り飛車党。中でも終盤における受けの強さは驚異的なものがあり、誰もが恐れ、誰もが憧れた技術でした。

 

 

 

以上のようになっています。

棋士ばかりが並ぶ歴代記録となっています。中でもやはり大山先生の61歳での優勝というのは驚かされます。反射神経がものをいう早指しの棋戦で還暦を越えて優勝するのは大変な記録です。

また現役棋士の羽生九段、深浦NHK杯佐藤康光九段がトップ10に入っています。またトップ10には入っていませんが、11位に森内九段、12位に郷田九段が入っており、共に40代での優勝でもあります。やはり羽生世代近辺の棋士は年齢を重ねても早指し棋戦でも強さを発揮しています。

これからこの記録を更新する棋士は現れるのか、またこれからランキングがどう変動していくのか。これからも注目し、更新していていきたいと思います!