竜王戦、海外対局の歴史

昨日は竜王戦第4局でした。

矢倉模様からの力戦調の将棋となりました。

終盤羽生棋聖が△6六飛~△8八金~△3六桂~△4八銀と検討陣もソフトも予想しえない手の流れで押し切り3勝1敗としました。

さあこれで永世竜王、そして夢の永世七冠まであと1勝となりました!

一方の渡辺竜王はもう負けれない状況。しかし本局も最後まで粘るあたりはさすがの一言。私みたいな素人だとあっという間に逆転されてそうです・・・

 

竜王戦といえば今年は第1局が28年ぶりの公開対局ということで話題になりましたが、ひと昔前は竜王戦第1局は海外対局が行われるということで有名でした。一番海外でタイトル戦が行われたのは間違いなく竜王戦ですよね~

ということでどのような場所で行われたのか見てみましょう。

 

第3期ドイツ・フランクフルト

第4期タイ・バンコク

第5期イギリス・ロンドン

第6期シンガポール

第7期フランス・パリ

第8期中国・北京

第9期アメリカ・ロサンゼルス

 第11期アメリカ・ニューヨーク

第13期中国・上海

第15期台湾・台北

第17期韓国・ソウル

第19期アメリカ・サンフランシスコ

第21期フランス・パリ

第27期アメリカ・ハワイ

 

第3期~第9期までは毎年第1局は海外対局、第11期~第21期までは2年に1回。そして27期は6年ぶりに開催と徐々に減っているのは悲しいですよね・・・またいつか行われることを期待しています!

 

さらに今回は私が記憶に残る海外対局のご紹介。第21期竜王戦第1局、▲渡辺竜王△羽生名人の対局。(称号は当時のもの)

羽生名人の一手損角換わりに対し、渡辺竜王棒銀の動きを見せると羽生名人は戦場から遠い右玉に囲い、それを見て渡辺竜王は矢倉に囲いさらに矢倉穴熊に組み替え猛攻を仕掛けた局面。

穴熊、竜ができてる、角と金桂の2枚替えという条件がそろっており、▲4三金と着実に迫りますが・・・

次に指した△6四角が相手の攻めを食い止めるピッタリの手になりました。

渡辺竜王もこの手は読んでいたようですが、▲5六桂などで攻めが繋がると踏んでいたようです。しかし実際指されてみると攻めが繋ぐのが難しく、羽生名人の大局観が光った1局として有名です。

渡辺竜王情熱大陸のインタビューで「ああいう読み筋で組み立てる人はたぶんなかなかいないんじゃないかなというか、羽生さんの他にあれを指してくる人はいないんじゃないかな」ということをおっしゃっていました。

渡辺竜王もここまで感服しているの見て当時衝撃を受けたのを覚えており、そして何より渡辺竜王の王様を固く囲って攻め、羽生名人が柔軟な受けをみせるというお二人の持ち味がいかんなく出た対局だったと思います!

この第21期竜王戦はこの第1局以外でも第4局や第7局も名局として知られています。

 

さあ次の第5局でもこのような名局が見れることを期待しています!!