タイトル保持者の呼称

昨日は竜王戦第2局がありました。
戦型は渡辺竜王の矢倉に羽生棋聖の雁木。今最も注目されている形となりました。
渡辺竜王が手損している隙に羽生棋聖が攻撃態勢を整え、仕掛ける展開になり、中盤は渡辺竜王の駒得、羽生棋聖は竜を作って攻めるを繋げる形となりました。
結果は羽生棋聖が攻めきり2連勝。これで防衛まであと2勝となりました。

羽生棋聖は雁木と本当流行に遅れをとらないですよね。これがずっと第一線で活躍できる理由の一つなのかもしれませんね。

ところで渡辺竜王竜王以外に棋王も保持していますが、棋王戦以外では「渡辺竜王棋王」や「渡辺二冠」とは呼ばれません。しかし羽生棋聖棋聖と王位を保持していたときは「羽生二冠」と呼ばれていました。なぜでしょう。
それはタイトル保持者の呼称のルールがあるからです。
(1)竜王と名人を保持していた場合
まず竜王と名人を保持していた場合は「竜王・名人」と呼ばれます。両タイトルは棋界最高峰のタイトルで同列とされています。
そしてそれ以外にタイトルを保持していたとしても「竜王・名人」と呼ばれます。つまり七冠や八冠になったしても呼び方は「竜王・名人」というわけです。

(2)竜王か名人を保持しており、他のタイトルも保持している場合
この場合は「竜王」(「名人」)と呼んで他のタイトルを呼ぶのを省略します。今の渡辺竜王のパターンですね。
この場合も先ほどと同じで五冠だろうが六冠だろうが竜王(名人)以外のタイトルは省略して呼びません。

(3)竜王と名人以外のタイトルを複数冠保持している場合
この場合は「二冠」や「三冠」という風に呼ばれます。王位を保持していた時の羽生棋聖の時のパターンですね。
もし名人・王位・棋聖を保持していれば「名人」と呼ばれますが(上の(2)のパターン)、名人を奪われてしまうと(3)のパターンになるので「二冠」と呼ばれます。タイトルが減ったのに増えたみたいですね(笑)

(4)タイトルを1つしか保持している場合
そのタイトルで呼ばれます

というルールになっています。
基本的にはこういうルールですが、こう呼ばなければならない!というわけではないので、棋戦によっては呼び方は変わるときがあります。
まあ基本的にはこういうルールなので、頭の片隅にでも置いてください(笑)